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TSKaigi 2026 初参加レポート|知らない世界にたくさん出会えた1日

シェルパ・アンド・カンパニー株式会社でエンジニアを担当しているペトロフです。

この記事では、TSKaigiに初参加した立場から、

  • 会場の雰囲気
  • 印象に残ったセッション
  • 参加を通して得た学び

を紹介します。来年以降参加を検討している方や、TypeScriptコミュニティに興味がある方の参考になれば幸いです。

初参加者として感じた会場の雰囲気

参加前は、

  • TypeScriptを深く理解している人ばかりなのではないか
  • 知らない話ばかりでついていけないかもしれない

という不安がありました。

実際に参加してみると、自分が知らない技術や考え方に関する発表は確かに多かったものの、それ以上に学びたいという気持ちが刺激されるイベントでした。 普段の業務では触れない領域の話を聞く機会が多く、「そんな考え方があるのか」「その視点は持っていなかった」と感じる場面が何度もありました。

また、会場全体からはTypeScriptが好きな人たちの熱量が伝わってきました。発表を聞くだけではなく、参加者同士で感想を共有したり、コミュニティの活発さを感じました。

TSKaigi 2026で印象に残ったセッション

Leveragesトラック: 業務に残された「よくない型」で考える「TypeScriptの難しさ」

今回聞いたセッションの中で特に印象に残ったのが、Ryusei Sajikiさんによる「業務に残された『よくない型』で考える『TypeScriptの難しさ』」でした。

このセッションでは、実際の業務コードに残された as@ts-ignore といった、いわゆる「よくない型」を収集・分析し、その背景にあるTypeScriptの難しさを探っていました。

私はこれまで、こうしたコードを見ると「もっと良い書き方があるのではないか」と考えることが多かったのですが、このセッションでは単純な実装ミスとして扱うのではなく、

  • 動的な境界で発生する型の問題
  • ArrayやObject操作による型の劣化
  • Union型の推論の難しさ

といったパターンに分類しながら整理していたのが印象的でした。

特に心に残ったのは、

TypeScriptで妥協している箇所にはパターンがあり、そのパターンこそがTypeScriptの難しさや限界を表しているのではないか

という考え方です。 普段の業務では「どう型エラーを解消するか」に意識が向きがちですが、「なぜその妥協が発生したのか」という視点も大事です。

また、発表の中ではAIを活用してコードベース内の as@ts-ignore を棚卸しし、改善候補を見つける取り組みも紹介されていました。AIコーディングが当たり前になりつつある今だからこそ、単にコードを生成するだけでなく、既存コードの改善にも活用できるという話は特に興味深かったです。

Leveragesトラック: ビジネスモデルから紐解く、AI+型駆動開発

もう1つ印象に残ったのが、omoteさんによる「ビジネスモデルから紐解く、AI+型駆動開発」でした。

このセッションでは、

型の重心はビジネスモデルで決まる

という考え方が紹介されていました。

私はこれまで、TypeScriptの型設計を考える際に技術的な観点ばかりを意識していました。しかしこのセッションでは、

  • インタラクション中心SaaS型
  • データ依存型
  • API中心マイクロサービス型
  • マーケットプレイス型

といった事業構造ごとに、型設計の考え方が変わることが説明されていました。

特に印象に残ったのは、

型設計は、事業判断の写像。実装は、AIに委ねられる。

というメッセージです。

AIがコードを書くことが当たり前になりつつある今、人間が担うべき価値は「どう実装するか」ではなく、

  • 何をシステムの中心概念とするのか
  • どの情報を守るべきなのか
  • どこに型の起点を置くのか

といった設計や意思決定に移っていくのかもしれません。

TypeScriptの話でありながら、ソフトウェア設計やプロダクト開発そのものについて考えさせられるセッションでした。

Leveragesトラック: Oxlint は ESLint / typescript-eslint を置き換えられるか?

私は普段ESLintを利用していますが、「なぜLintが遅くなるのか」や「型解析がどの程度コストになるのか」を意識したことはありませんでした。

このセッションでは、Rust製の高速リンターであるOxlintの紹介だけでなく、Type-Aware Linting(型情報を利用したLint)が重くなる理由についても説明されていました。

特に印象に残ったのは、型情報を利用する場合は単にファイル単位で解析するのではなく、プロジェクト全体の型グラフを構築する必要があり、それが実行時間やメモリ使用量の増加につながるという話です。

普段は開発環境の一部として当たり前に使っているLintツールですが、その裏側では多くの処理が行われていることを知りました。

また、発表では実際の比較結果として、

  • OxlintはESLintより大幅に高速
  • メモリ使用量も少ない
  • Type-Aware Linting対応は発展途上
  • カスタムルールがある場合は移行コストも考慮が必要

といった現実的な評価が紹介されていました。

特に良かったのは、「新しいツールだから移行しよう」という結論ではなく、

プロジェクトの状況に応じて判断する必要がある

という現実的な視点でまとめられていたことです。

こうした開発体験を支えるツールチェーンの話も、TSKaigiならではの面白さだと感じました。

1日参加でも十分価値があった

今回は1日のみの参加でしたが、それでも十分に満足度の高いイベントでした。もちろん全てのセッションを聞けたわけではありませんが、複数の発表を通じて新しい知見を得ることができました。また、会場の雰囲気やコミュニティの熱量を実際に体感できたことも大きな収穫でした。

発表を聞くだけではなく、参加者同士で感想を共有する様子も多く見られ、コミュニティの活発さを感じました。

まとめ

TSKaigi 2026に初参加しました。1日だけの参加でしたが、普段の業務では触れない知見や考え方に数多く出会うことができました。 特に印象的だったのは、自分がまだ知らない世界の広さを知れたことです。理解できなかったことも含めて、多くの刺激を受けた1日でした。

今回聞いたセッションも、TypeScriptそのもののテクニックというより、

  • 実務における型との向き合い方
  • AI時代の設計のあり方
  • 開発体験を支えるツールチェーン

など、普段とは違う視点を与えてくれるものばかりでした。今後は今回知ったテーマを少しずつ学びながら、日々の開発にも活かしていきたいと思います。

参考リンク


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https://herp.careers/v1/cierpa0905